ケトン体回路
人間の体が、生きるためのエネルギーを作り出す回路には3種類あります。
第1の回路は、現代一般的となっている米や小麦粉を代表とする炭水化物(糖質)をグリコーゲンに変換してエネルギーにする回路です。
第2の回路は、あまり使いたくはないけど緊急用の回路で、糖質もグリコーゲンも欠乏したときにタンパク質や筋肉を分解してエネルギーに変える糖新生という回路です。
自分の体を分解してエネルギーを生み出す、人体の非常用回路です。
第3の回路が今回の本題であるケトン体回路です。
それぞれのエネルギー源は、表の右側の物なのですが、
第1の回路「解糖系」と第2の回路「糖新生」は、糖質を分解したブドウ糖を元にエネルギーを生み出す回路でした。
しかし、ブドウ糖が不足した状態が続きエネルギーを生み出せなくなると、体は解糖系・糖新生から「ケトン体回路」にシフトします。
ブドウ糖ではなく、脂質を分解した脂肪酸と、脂肪酸がエネルギーになる過程で生まれるケトン体をエネルギーとして使うようになります。
またケトン体回路では、食べ物に含まれる脂質と体に蓄えられた体脂肪を分解してエネルギーを作り出してくれるです。
そうです、つまり「意図的にブドウ糖を枯渇させる」=「糖質制限」して、ブドウ糖が枯渇した状態を維持すればするほど、ケトン体回路は活発に働き続るのです。
この際、食事に「MCTオイル」を加えてみてください。
MCTオイルはケトン体回路の図でも紹介した「中鎖脂肪酸」100%で作られているオイルなので、摂取後、肝臓で吸収されるときにケトン体を生成してくれます。
この時、糖質が体内にある状態でも、MCTオイルはケトン体を生成してくれるのがポイントです。 そのため完全に糖質が枯渇していない状態でもケトン体を生成し、体をケトン体回路に切り替わりやすくしてくれます。
次回は、どの程度糖質を制限する必要があるかをお話しします。